【M&A】その時FP&Aは何をすれば良いのか?

その1「そのアナウンスは突然に」

毎度まいどの気まぐれな投稿ですみません。今回は会社がM&Aに直面した時にどんな準備をしたら良いか、どんな点に注意したら良いかについて、FP&Aの視点から話をしてみたいと思います。

最初にお断りしておきますが、M&Aに関しては数多くの指南書もありますし、監査法人系をはじめとした多くのコンサル会社のwebサイトでお偉い専門家先生による机上の蘊蓄を見聞きすることが出来ますので、ここではそこで語られているような堅苦しい内容は割愛し、あくまでM&Aの対象となってしまった会社のいちFP&A担当者として或いはコントローラーとしてどんな貢献が出来るかという事にフォーカスして話をしたいと思います。

さて、外資系のグローバル企業にとってM&Aの話は日常茶飯事です。大袈裟ではなく私の経験でも、大きいもの小さいもの含めると平均して数年に一回は “やって来ます” 。その形式も合併、カーブアウト(スピンアウト)、それに伴う閉鎖、撤退、『する側』『される側』、『マジョリティ側』『マイノリティ側」とさまざまです。

M&Aの対象となる理由も様々です。『スケールメリットや製品の拡充でマーケットリーダーになる』であるとか、『パテントや営業拠点の相互利用により販売を拡充させる』『ITシステムの効率的な活用』などの比較的ポジティブなもにから、『不採算部門の切り捨て』『業績不信による身売り』『管理部門コストの削減』『生産拠点の統合』『研究開発費の削減』『節税対策』などのネガティブなものまで。

もちろん、プレスリリースや社員向けのアナウンスでは、ネガティブな理由は、“たとえそれが実情であっても” 語られることはあまりありません。多くの場合は、『コアビジネスへの集中』『新たな事業領域への再出発』などの “もやっとした“ 理由で誤魔化されてしまいます。それは、M&A後も事業を続けて行かなければならない社員に “負け犬“ 意識を持たせない意味合いもあるのでしょう。ま、それをまともに信じるオメデタイ社員もあまりいないでしょうが(笑)

ところで外資系の場合、M&A案件はグローバルベースで進むことが多いので、日本法人に『その知らせ』は ”突然” やって来ることが多く、たとえ日本法人の社長でであっても、場合によっては社員と同じ時期に知らされるという事も珍しくありません。

時に『当社はX Xのため、X月X日に◯◯社と合併することになりました』であるとか、『当社はX Xのため、X月X日に◯◯事業部を売却する事になりました』であるとか。全社員向けの一斉メールが飛び込んで来ます。それはそれは社員総出でビックリ仰天で、管理部門においては情報収集と事態の収束に奔走する事態になること必至です。

当然、M&Aの話はアナウンスの数年前から秘密裏に進められ、株主との話がまとまった段階で、時を見計らって発表される訳ですが、子会社の日本法人の役員クラスでは始めから関わらない、或いはある程度話が煮詰まった段階で連絡が来る事が多く、後者の場合、日本法人内で事前に秘密裏に調査が進められることもあります。その時には会社役員だけでなく、場合によっては数字に詳しいFP&Aが巻き込まれる事もあるでしょう。

ところで多くの場合、一般社員へのアナウンスは社外へのアナウンスと “同時“ に行われます。社員に知られたら、今日のSNS社会では情報が外部に漏れるまでに数分ともたないでしょう。広報ばかりでなく、営業や購買、役員秘書も総出で対外的な対応に『その日』のうちから追われることに。まったく、いい迷惑です(笑)

さてM&Aというと、とかく不安を覚える社員が多いため、動揺を少しでも緩和するためにアナウンスは金曜日に行われるのが常套手段です。週末に少しでも自分の気持ちを整理してから、改めて週明けになって同僚とアーデモナイ、コーデモナイという話に入れるからです。話の内容はだいたい決まっていて、会社の将来や相手の会社、仕事の内容や組織のことなどは二の次で、ほとんどが自分たちの身分保証の話です。ゲンキンなもので、でもこれが現実です。

面白いのは、金曜日の現地時間朝にアナウンスされると、ヨーロッパ系の会社であれば日本時間の夕方に知らされるので週末クールダウンの効果があるのですが、北米系の会社の場合は日本時間の金曜日の深夜になってしまうため、”月曜の朝に会社に来たら大騒ぎになってた“ なんて事もあります。

さて、こんな時FP&Aはまずは何をすれば良いのでしょう? 明日は我が身、天災の如く突然来るので、万事備えておきましょう。

その話は次回のコラムで。