【M&A】その時FP&Aは何をすれば良いのか?

その2「備えあれば憂いなし」

さて、前回のコラムでは「そのアナウンスは突然に」と題して、外資系の日本法人へのM&Aの告知は前触れもなく突然やってくるということを、そしてその時グローバルのトップマネジメントは何を言い、そして社員はどのような反応をするのか、などについて書きました。

そして『それ』は、外資系の会社の社員にとっては決して特別なことではなく、明日にでもやってくるという覚悟が必要だという点についても触れました。

後述しますが、FP&A部門が『それ』に対して日常的に備えておくことが、M&Aのプロセスを順調に進めることに繋がり、裏を返せばFP&AはM&AをDisasterと認識し、常日頃からその『危機管理対策』を考えておかなければならないとも言えます。

では何故、M&AはDisasterなのでしょうか? それはM&Aのプロセスに起因します。『買う側』と『売られる側』ではプロセス自体もFP&Aが関わる中身も多少異なりますが、『それ』があったその日から突然、仕事が鬼のように忙しくなる事には変わりはありません。

というのも日常業務を100%こなした上でM&A関連の業務に関わらなければならないからです。完全にOn-Topです。Disaster ですから『ちょっと待って』などとは言えません。突然、否応無しにやってきます。決算や事業計画の時期に当たってしまえばまさに “泣きっ面に蜂“ です。

では、どのような危機管理対策を取っておけば、そのOn-Topの作業を軽減できるのか、という点について、今回はより厳しい『売られる側』の立場から話を進めていきたいと思います。

M&Aのプロセスの中で最も重要なタスクのひとつであるデューディリジェンス(Due diligence, 以下DD, でゅーでり)は、『売られる側』のバックオフィス部門、特にファイナンスとFP&A部門の協力無しでは成り立ちませんから、これらの部門は必ずと言って良いほど、DDの中心となって動く部門となります。

DDの意味合いにについてはググればいくらでも蘊蓄が転がっていますので、詳しくはそれを見て頂くこととし、ここで詳しくは説明しませんが、要するに企業価値の再評価のプロセスです。『企業価値なんて、財務諸表を見れば分かるでしょ?』ごもっともです。でも財務諸表だけでは見えない企業価値は山のように存在しているんですね。あっ価値と言っても必ずしもプラスの価値だけではなく、財務諸表では開示していない、あるいはGAAPではカバーしきれないマイナスの価値、つまりリスクも潜在しているのが通常ですので、そのような価値の再評価をM&Aの視点から行うのがDDです。

特にDDでは重視して行われ、かつ財務諸表ではっきりとは現れない数字のひとつが『将来キャッシュフロー』の評価です。トドのつまり、何だかんだ言っても買収する側は投資効果(ROI)を第一に考えているワケで、『ナンボつぎ込んだら、ナンボ儲かるんだ? 』という問いに対する最も明確な答えが、将来キャッシュフローという事になります。究極を言えば、この数字を作る事とそれを裏付ける為のエヴィデンスを揃えることがDDの最終目的とも言えるでしょう。

と、この辺であまり文章が長いと管理人のFURUYA氏から、『長くなくていいから回数あげて!』という声が聞こえて来そうなので、続きは次回のコラムに回したいと思います。

ではでは